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2019.02.13

飛行機の便名とは?番号の意味と決まり方、ANAはなぜ「NH」なのか。

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羽田から伊丹・新千歳など、利用客の多い路線には定期便が1日何往復も設定されています。しかし飛行機は機種ごとに座席数が決まっており、時刻・座席を指定しないと大混乱の要因につながってしまうのです。

どこの会社・どこの空港から・どの時間に出発する便か、特定する手掛かりが飛行機の便名です。航空券にも印字されている「アルファベットと数字」からなる便名には、じつは規則性が隠されています。その規則性を知って、飛行機の旅をちょっと楽しくしてみませんか?

今回は各社が公表する時刻表も参考に、便名の決まり方を調べてみました。

飛行機の便名ってなぜ付けられているの?

そもそもなぜ、飛行機には便名が付けられているのでしょうか。それは飛行機がどう運用されているかということと大きく関わっています。

飛行機にはその機に固有の番号(機体記号)が付けられています。日本国内の民間機の場合、「JA」で始まる6桁の英数字です。しかし毎日一定の時間に運航される定期便の場合、点検などのスケジュールで機体が変更されることもしばしば。また小さな航空会社では複数の路線のフライトを1つの機体で担っていることも少なくないのです。

一方で各航空会社は飛行機の機種ごとに仕様をそろえ機材を導入しています。LCCや地域の航空会社ではすべて同じ機種ということも少なくありません。そのためその日の飛行機が違うからといっても機種さえ気を付ければ、座席数などが異なるといった心配はないのです。

すると「同じ航空会社・同じ時刻・同じ行き先」に対しては共通の番号を振ったほうが利用者にとって利便性が高いものになります。このように「特定の運航計画」に対し、航空会社が振るのが便名であり、機体記号とは別の英数字の組み合わせで付けられています。

この便名は空港の出発表示板にも使われるなど、飛行機を利用するにあたってはもっとも身近ともいえる英数字です。では、この便名はどのように決まっているのでしょうか。

飛行機の便名の決まり方①運航する航空会社

飛行機の便名は「ANA35」「JAL3006」「NH1200」「GK776」「6J84」など、英数字の組み合わせで付けられています。このうち先頭3文字もしくは2文字は航空会社に対して固定されているものです。

航空会社は2つのコードを持っている

航空会社はそれぞれ固定の英数字2文字、もしくはアルファベット3文字の「レターコード」というものを持っています。このレターコードはそれぞれ異なる国際機関によって決めているもの。どちらも使われる機会が多いので知っておくと便利でしょう。

2レターコード(IATAコード)
国際航空運送協会と呼ばれる、航空会社が加盟する国際団体が設定するレターコードです。航空会社ごとに英数字2文字が割り当てられていますが、国内線など近距離中心の運航会社に対しては同じコードが割り当てられることも。

このコードはあくまで「民間」のものなので、航空会社がおこなう業務で使われることが多いです。たとえば手荷物を預け入れる際に付けられるタグには目的地の空港(英字3文字)とともに、2レターコードによる便名が記載されています。

空港のレターコードは、東京国際空港(羽田空港)が羽田の頭文字から「HND」、大阪国際空港(伊丹空港)が「ITM」など、比較的覚えやすいのが特徴。ただし関西国際空港の「KIX」、新潟空港の「KIJ」など、空港名との関係性がわかりにくいコードもあるので注意が必要です。

3レターコード(ICAOコード)
国際民間航空機関と呼ばれる、国連の専門機関が設定するレターコードです。航空会社ごとにアルファベット3文字の組み合わせが割り当てられており、同じコードが重なることはありません。

こちらは「公的」な意味合いが強く、たとえば「国」が担当する航空管制、航空管制を行うための飛行計画提出時などに利用されることが多いです。

またIATAコード同様、空港に対しても4けたのアルファベットが割り当てられています。このIATAコードは東京国際空港が「RJTT」・大阪国際空港(伊丹空港)が「RJOO」など、日本を示す「RJ」(沖縄は「RO」)+2文字(大規模空港は2文字共通)と、一定の規則性を利用して付けられています。

【番外編】コールサイン
数多くの飛行機が高速で空を飛ぶなかでは衝突をふせぐため、電波による通信で連絡を取り合いながら管理する必要があります。そのため無線通信では「コールサイン」というものを設け、どこから発信しているか、どこに対して呼びかけているかをはっきりさせています。

このコールサインにも便名が用いられていますが、レターコード部分では各航空会社それぞれ固有のものに置き換えられています。

各航空会社のコードは?

では、日本の国内線を運航する主要航空会社のコードを見てみましょう。

JALグループおよびJALとコードシェアする航空会社(国内線)

航空会社 略称・通称 IATA IACO コールサイン
日本航空 JAL JL JAL Japan Air
日本トランスオーシャン航空 JTA NU JTA J-Ocean
北海道エアシステム HAC NTH※ North-Air
ジェイエア J-AIR JLJ J-Air
日本エアコミューター JAC JC JAC Commuter
琉球エアコミューター RAC ※2 RAC Ryuku Air
(以下、JALとコードシェアする国内航空会社)
フジドリームエアラインズ FDA JH FDA Fuji-Dream
天草エアライン AMX MZ AHX Amakusa-Air
ジェットスター・ジャパン(LCC) Jetstar GK JJP Orange-Liner

※通常は日本航空と同一のものを使用。旧IATAコード:北海道エアシステム→HC・ジェイエア→XM
※2 JAL内部ではNUまたはRCを使用

ANAグループおよびANAとコードシェアする航空会社(国内線)

航空会社 略称・通称 IATA IACO コールサイン
全日本空輸 ANA NH ANA All-Nippon
ANAウイングス EH※ AKX※ Alpha-Wing※
バニラ・エア(LCC) JW VNL Vanilla
Peach Aviation(LCC) Peach MM APJ Air-Peach
(以下、ANAとコードシェアする国内航空会社)
AIR DO HD ADO Air Do
ソラシドエア 6J SNJ New-Sky
スターフライヤー SFJ 7G※2 SFJ Starflyer
アイベックスエアラインズ IBEX FW IBX Ibex
オリエンタルエアブリッジ ORC OC ORC Oriental-Brige

※通常は全日空と同じものを使用
※2 国内では「MQ」を利用することあり

その他国内線

航空会社 略称・通称 IATA IACO コールサイン
スカイマーク SKY BC SKY Skymark
春秋航空日本(LCC) SPRING IJ SJO J-Spring
エアアジア・ジャパン DJ WAJ Wing Asia

一部の航空会社では「略称として使っているアルファベット3文字」と「IACOで割り当てられている3文字」が異なる場合があるので注意しておきましょう。

なお一部の国内線航空会社ではIATAコードを取得していないこともあり、国内線の出発便を示すときには「IACOコード+便名数字」の形を利用することが多いようです。

2レターコードの由来は

レターコードは先着順ということもあり特別な意味合いを持たない航空会社も多いです。しかし一部の2レターコードに関してはその由来が公表されています。

全日本空輸のNH
全日本空輸の前身のひとつに「日本ヘリコプター輸送」という会社があります。NHはこのときの頭文字といわれています。

天草エアラインのMZ
熊本県の天草飛行場から福岡便、熊本経由伊丹便を運航している天草エアラインは2015年に2レターコードを申請しました。このときの第1希望が「MZ」で、天草方言で可愛いという意味の「みぞか」から来ているそうです。

飛行機の便名の決まり方②複数の便名を持つ路線がある

空港の出発便・到着便情報を見ていると、ときどき不思議な光景を見かけませんか。たとえば同じ時刻・同じ行き先・同じ搭乗口に複数の航空会社が表示されていたり、「共同運航便」と書いてあったりすることがあります。それぞれに便名が付けられていて不思議かもしれませんが、これは「コードシェア便」と呼ばれる運航形態です。

「コードシェア便」とは?

コードシェアは別の航空会社が運航する便の座席を買い取り、自分の航空会社の運賃体系で販売する形式です。買い取った航空会社側でも便名が振られるため、同じ飛行機に複数の便名が付くことになります。

「小さな航空会社の運航便をJAL・ANAがコードシェアで販売する」「JAL・ANAの便を国外の航空会社が販売」する形が基本となっており、運航会社にとっては販売先を広げられる、JALやANAにとっては路線を疑似的に拡大できるというそれぞれのメリットがあります。

ただしコードシェア便は提携している航空会社間でのみ行われます。例えば同じ羽田・伊丹間でもJALの運航する便にANAが便名を振るということはありません。

コードシェアで販売 運航する航空会社
JAL FDA(名古屋-青森・花巻便を除く)
天草エアライン
ジェットスター・ジャパン(国際線との乗り継ぎのみ)
ANA AIR DO
ソラシドエア
スターフライヤー
アイベックス
オリエンタルエアブリッジ

コードシェア便の例

FDA運航→JALがコードシェア】
16:45 静岡空港発 福岡空港行き
FDA(運航航空会社)FDA147
JAL(コードシェア)JAL3816

AIR DO運航→ANAがコードシェア
12:50 東京国際空港(羽田空港)発 新千歳空港行き
AIR DO(運航航空会社)ADO0023
ANA(コードシェア) ANA4723

(2019年5月現在の時刻表による)

飛行機の便名の決まり方③偶数・奇数で1つの組み合わせ

定期便は基本的に「往復1セット」になるよう考慮して設定されています。もちろん同じ機材で運用されるわけでなく、違う路線が複数乗り入れているような空港では機材が入れ替わることも少なくありません。

しかし「往復1セット」の運航が基本のため、便名に関しても国内便の場合、「都市→地方」が奇数、「地方→都市」が偶数に割り当てられています。これは鉄道や高速道路の「上り(偶数)」「下り(奇数)」にも近く、新幹線・特急電車などに割り当てられている号数に近いものがあるといえるのです。

ここからは各航空会社が振る番号について、「JAL」「ANA」「スカイマーク」を例に見ていきましょう。

JALの便名の決まり方

JALの便名を確認すると、次のような規則性があるといわれています。

3けたの便数は羽田発着

JALの場合、3けた数字の便数は基本的に羽田発着の便に割り当てられています。さらに地方ごとに百の位の数字が分類されているといわれています。

百の位 地方 空港
1 伊丹空港と東北・北陸 伊丹・青森・三沢・秋田・山形・小松
2 東海・近畿・中国 中部・南紀白浜・関西・岡山・広島・出雲・山口宇部
3 福岡 福岡・北九州
4 四国 松山・徳島・高松・高知
5 北海道 新千歳・釧路・旭川・女満別・帯広・函館
6 福岡を除く九州 長崎・熊本・鹿児島・奄美大島・大分・長崎
7 (成田・関西・中部発着の国際線に割り当て。羽田発着国際線は1~2けた)
8
9 沖縄 那覇

※2019年5月現在の時刻表に基づく

羽田発着以外の便には4桁の便名が割り振られています。4桁の便名にも一応の規則性があり、大都市側の空港を基準に「伊丹・新千歳・丘珠」の各空港発着便が2000番台、「成田・中部国際・福岡・鹿児島・那覇」の発着便が3000番台、「県営名古屋空港(FDA運航)」の発着便が4000番台と番号が振られているようです。

JTAの便名の決め方

沖縄県を中心に運航する日本トランスオーシャン航空(JTA)はJAL(およびほかのJALグループ便・コードシェア便)とは区別して便名を付けています。JTA便は「沖縄県外と那覇空港を結ぶ便」が「0から始まる3けた」、沖縄県内を結ぶ便には800番台の便名を当てているという規則性があるようです。

ANAの便名の決まり方

ANAの場合は一見するとバラバラに割り当てられているように見えますが、詳しく調べてみるとある程度の規則性は確認できます。

ANAの場合まず2けたから3けたの範囲内に便名を割り振った後、追加便を1000番台に割り当てるという傾向があるようです。ただし1~12、101~232、801~980は国際便に割り当てられており、国内線では使われていません。またコードシェア便はソラシドエアが3700番台・スターフライヤーが3800番台・AIR DOが4700~4835というように、別に割り当てる範囲が決まっているのも特徴のひとつです。

なお北海道内便はほとんどがAIR DOコードシェア便の後、4800番台に固められているのも便名を確かめるうえでは重要です。

その他主要航空会社の便名の決まり方

JAL・ANA以外の航空会社では便数があまり多くないことから法則性をつかむのが難しいかもしれません。便数の多いスカイマーク・FDA(フジドリームエアラインズ)・スターフライヤーの3社について、法則性があるか確認してみましょう。

スカイマークの便名の決まり方

スカイマークでは100番区切りで発着空港が決まっており、次の優先順位で便名が決められていると考えられます。

優先度 発着空港 割り当てられる便名
那覇空港 500番台※
神戸空港 100番台
新千歳空港 700番台
中位 中部国際空港 600番台
長崎空港(神戸経由) 400番台
茨城空港 830番台
低位 鹿児島空港 300番台
羽田空港 000番台
(チャーター便) 800番台

※季節運航の羽田-那覇の深夜早朝便では05X番台を使用

レジャー需要の強い沖縄発着の便・拠点となる神戸発着の便を基準にするとともに、利用客の多い羽田空港では行き先ごとに区別しやすい便名を目指しているのかもしれません。

FDAの便名の決まり方

静岡空港・県営名古屋空港を拠点にするフジドリームエアラインズの場合、次のような法則性があると考えられます。

空港 便名
静岡空港発着 100番台(静岡側が奇数)
松本空港発着 200番台(松本側が奇数)
県営名古屋空港発着 300~400番台(名古屋側が奇数)
その他 500~700番台
(チャーター便) 5000番台

拠点としている静岡空港・県営名古屋空港に加え、比較的便数の多い松本空港発着もまとめることで、利便性を高めているといえるかもしれません。

なおJALのコードシェア便では大都市→地方のフライトが奇数になっていることから、静岡-福岡・北九州間など、一部のフライトでは偶数・奇数が入れ替わります。

スターフライヤーの便名の決まり方

北九州空港を拠点にするスターフライヤーの場合、国内線はすべての便名が2けたになっているのが特徴です。またANAのコードシェアとも関係性が強く、スターフライヤーの便名+3800がANAのコードシェア便で使用される便名となっています。

航空路線 便名
羽田-山口宇部 11~16
羽田-関西 20~29
中部-福岡 31~38
羽田-福岡 40~59
羽田-北九州 60~95
北九州-那覇 96~97
(国際線) 800番台
(チャーター便) 9000番台

(2019年5月現在のダイヤと2018年8~12月の増便名調査による)

LCC2社(ピーチ・ジェットスター)の便名の決まり方

最近では機材の統一や効率運航・サービス削減などで低料金を実現するLCC(格安航空会社)を利用する機会も増えてきました。このLCCの場合、どのように便名が付けられているのでしょう。

ピーチの場合

関西国際空港を拠点に路線拡充を進めるピーチ。現在はANA関連のLCC・バニラエアとの経営統合が進められており、成田空港発着の便も増えてきています。

一方便名では100番台・300番台を一部を除き関西空港発着便に、400番台を新千歳空港発着便に、成田空港発着便を500番台に割り当てています。

ジェットスターの場合

オーストラリア・カンタス航空のブランドであり、カンタス航空や日本航空などが出資するLCC航空会社が「ジェットスター・ジャパン」です。

発着空港 便名
新千歳空港 100番台
関西-成田 200番台
那覇・下地島 300番台
松山・高松・高知 400番台
福岡空港 500番台
大分・熊本・鹿児島・長崎・宮崎 600番台
庄内 700番台

(2019年5月現在の時刻表と予定ダイヤによる)

ジェットスターの便名はスカイマークの便名規則に近く、成田・関西・中部国際の各空港からどこに向けて便が飛んでいるかによって対応するけたが決められています。そのため混雑する都市の空港からはわかりやすくなり、乗り間違えたりする可能性を小さくすることができるでしょう。

なぜ便名には使われていない番号があるの?

自分の乗る飛行機の前後の便名を調べてみると、同じ奇数・偶数でも便名が飛んでいるということはありませんか。「その便名で航空事故が起こったから」といううわさを聞いて怖くなる方も多いかもしれませんが、実際にはそれだけではなく「さまざまな理由」がからんでいるようです。

減便や時刻変更による空き番も多い

航空会社は需要が小さく利益が出ないと見込んだ場合、一度開設した路線を運休したり、減便することがあります。しかし、運休する便以外の番号を詰めてしまうとダイヤの改正ごとに便名が変わることになり、管理の意味合いが薄れてしまうと考えられるでしょう。

便名を確認して快適なフライトを!

現在ではコードシェア便も増え、予約した航空会社と実際の運航会社が異なるということも多くなってきました。そのためいざ空港に行ったはいいものの、ターミナルで迷ってしまうということもあるでしょう。

ターミナルの出発表示を見逃さない!

とくに羽田空港では第1ターミナルがJAL系・第2ターミナルがANA系・第3ターミナルが国際線と分かれています。しかしANAの便名でも、スターフライヤーが運航する福岡・北九州のコードシェア便は第1ターミナル、関西・山口宇部線は第2ターミナルから乗ることになります。便名の見方を覚えておけば、どちらのターミナルか迷って飛行機に乗り遅れるなんてことを防げるのではないでしょうか。

同じ路線でも便しだいで割引率が変わるかも!

1日に複数便が運航される路線の場合、同じ路線でも時刻が異なるだけで予約の際の割引率が変わることが少なくありません。

たとえば時間に追われるビジネスマンが利用することの多い便は空席が埋まりやすく、割引率も低くなります。一方で6時台出発など早朝の便は乗ろうと考える人も少ないことから、少しでも空席を埋められるよう割引率が高く設定されるほか、予約自体も取りやすい傾向にあるのです。

割引航空券を手に入れようと考えるときは「便名」を確かめておくことで、どの時間に運航される飛行機か、自分の旅行プランに確かめることも楽になります。また「高くてもいいから時刻の利便性を取る」という選択をする際にも参考になるでしょう。

まとめ

飛行機の便名には共通したルールと航空会社ごとの規則性があります。航空券や手荷物に取り付けるタグには「便名」が書かれており、飛行機に乗るときにも重要な役割を果たすもの。規則性を覚えておけば空港の出発表示版でも自分の乗る便を間違えず、余裕を持って手続きをすることができるのです。

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